皇室祭祀の中軸は天皇と皇太子である(佐伯有義氏『祭祀令注釋』、
川出清彦氏『皇室の御敬神』、鎌田純一氏『皇室の祭祀』など参照)。恒例祭祀の大祭に当たり、心身を清められて宮中三殿の殿内に入られるのは、
天皇・皇后、皇太子・皇太子妃だけ(皇太子が不在である現在は「皇嗣」の
秋篠宮殿下及び同妃殿下。
なお皇后陛下はご体調が万全でない場合はご遥拝、お慎み)。
他の皇族は庭上の幄舎(あくしゃ)にてご参列。小祭へのお出ましは天皇と皇太子のみ(但し、各例祭は祖先へのご敬意から
大祭に準じる)。
皇室祭祀は本来、「天皇の祭祀」である点を第一義とする。
最も古い由来を持ち、最も重い意義を有する新嘗祭では、神嘉殿の正殿に
入られるのは天皇ただお一方だけである事実からも、そのことがよく分かる。皇太子はこの時、隔殿の座におられ、神事の終わり近くに正殿正面“外側”の
座にて拝礼をなさるにとどまる。
天皇が神事に臨んでおられる間、隔殿の座において正座されたままであり、
勿論、その座から正殿の中のご様子は、ご覧になれない。
元日の四方拝は天皇だけが行われ、天皇に差し障りがあれば取り止める。
毎月1日、11日、21日の旬祭(しゅんさい)も天皇のみながら、11日、
21日は侍従の代拝が恒例化している。では、大祭・小祭に当たり、皇太子がご潔斎の上、殿内に昇られる意味は何か。
皇室において天皇に次ぐ重いお立場で、丁重に祭祀にお仕えになられるご敬神の
趣旨はもとより、その祭祀のご継承に遺漏無きを期する為でもあろう。作法の習得のみならず、祭祀に臨む心構えを、歳月をかけて受け継がれることに
重大な意味がある。
この祭祀のご継承という点で、畏れ多いが、現状には不安を禁じ得ない。
今は皇太子が不在で、天皇陛下とご年齢が近く、実際には即位されない可能性が
高いと見られている、秋篠宮殿下が祭祀に当たっておられるからだ。
今のままでは、将来、皇位を継ぐべき方が一定の年月、宮中三殿の殿内で
祭祀を直接、経験されたり、神嘉殿内で間近に神事の厳粛な空気に触れられたり
される機会が、全く失われてしまうことが危惧される。祭祀の継承という観点からも、傍系の皇嗣でなく、直系の皇太子がより
望ましいことは、改めて言うまでもない。
皇室祭祀を重視していると言いながら、皇位の「直系」継承を軽視する人が
いるのは、不思議だ。追記
3月11日、奈良において初めてのゴー宣道場が開催された。
テーマは「女性天皇は中継ぎか」。
近頃、一部の週刊誌で取り上げられている賀陽家を巡る取り沙汰が、
旧宮家プランの袋小路を示している事実も取り上げた。
楽しく充実した回になったのではあるまいか。
会場の熱気に励まされる思いだった。
当日、せっかくの休みを返上して、設営・運営に当たられた皆さんの使命感に、
感謝と尊敬の気持ちを伝えたい。
打ち上げ→二次会→三次会にまで残った精鋭(又は愛すべき飲んべえ)達に、
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